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第1展示室(メイン)
バンダイよいこの遊園地
「バンダイ よいこの遊園地」とは・・・
観覧車、回転木馬(メリーゴーランド)、乗り物(汽車、ひかり号)など、遊園地の代表的な遊具がひとつひとつの玩具になっており、これらと「くるくるハンドル」(パーツ)とを組み合わせて連結することにより、お好みの遊園地を創り上げることができます。
そして、ハンドルを回すと歯車の連動で、ひとつひとつの遊具が人形を乗せて個性的に動きます。
「ご家族で遊園地に行った気分が味わえます」というのが、当時のキャッチフレーズでした。
今やその存在は、世間では驚くほどに完全に忘れ去られていますが、昭和40年代後半の大ベストセラー玩具でした。
→ 主人公はこの人形たち。
パパ、ママ、わたし、
ぼく、という典型的な
「昭和ファミリー」。
当時としては、究極の
贅沢であった「遊園地」
に行くという至福を実現
させるべく希望に燃えて
いるのであった。
→ たくさんの遊具でも
軽やかに動かす
頼もしい原動力!
「くるくるハンドル」
当時価格400円。
【1 動画(YouTube)】
①バンダイ「よいこの遊園地」(汽車・コーヒーカップ編)→
【2 製品ラインナップ(単品)
上の写真の箱のような「セットNo.1(当時価格2,400円)」の他、単品でお好きな遊具を買い足せるようになっております。
(※⑨スカイコースターを除き、以下の単品遊具には、人形は別売りで付いていません。人形4体は、ベンチ等との小物セットで当時価格400円。)
①回転木馬
シンプルな「メリーゴーランド」。
まるで馬が跳ねるように「カッタン、カッタン」と上下しながら回ります。
サーカス風の三角屋根もいい味。
当時価格600円。
②観覧車
言うまでもなく、遊園地には欠かせないぐらいの存在。
一日の終わりに、遊園地全景を見下ろしながら、楽しかった一日をもう一度振りかえりながらよく乗ったものです。
当玩具は、回転が二重構造になっており、水平回転しながら垂直回転をするという結構ダイナミックな動きをします。
当時価格600円。
③飛行機タワー
動きとしてはシンプルに回転するのみですが、とにかく高い位置で回るのがポイント。
当時はまだまだ滅多に乗れない憧れの「飛行機」に乗れた気分を味わえるのがミソです。
当時価格600円。
④汽車ポッポ
汽車(蒸気機関車)は当然に昭和乗り物の基本ですね。
「カタ、カタ、カタ、カタ」と音を立てて、車体が揺らぎながら回ります。
当時価格600円。
ちなみに赤色汽車と青色汽車の2種類存在します。
⑤ひかり号
昭和少年の超憧れ「夢の超特急」。
しかも勿論「0系」ですから、まさに高度成長期の象徴。昭和世代にはたまらないですね。
当玩具の動きは、④汽車ポッポとほとんど同じですが、若干カタカタ度が低く、軽やかな回転である気がします。
(なお、写真の物は先頭部に赤丸シールを貼る等のアレンジを施しています。)
当時価格600円。
⑥コーヒーカップ
人がコーヒーカップの中に入るという「夢の国」体験。
家族でカップの中に入っている様子は、本当に可愛いらしく微笑ましい光景ですよね。
当玩具の動きは、カップが個々に回転しながら、全体も回転するという凝った動きをします。
当時価格600円。
⑦ロープウェイ
観覧車に加えてこれがあると、殊更にその遊園地のステータスが向上します。まさに空中散歩気分。
当玩具も、親指ほどの大きさの人形がゴンドラに乗って約50cmに渡りゆっくり移動するという大変
よく出来た作りになっています。
当時価格1,200円。
⑧お城
カラフルな西洋風のお城は、その存在のみでメルヘンチックな夢の国に誘われます。
当玩具の動きとしては、写真で人形が乗っているところが回転するのみですが、特筆すべきは金属製のオルゴールが内蔵されていること。
「くるくるハンドル」の動きに合わせて繊細な音色で優雅な曲が奏でられます。
曲は1製品につき1曲のみ。「10人のインディアン」「ブラームスの子守歌」「おもちゃのチャチャチャ」等の種類があります。
当時価格1,500円。
⑨スカイコースター
シリーズ中、ひときわ豪快かつビッグであります。「ゴーカート」遊具ながら、遊園地の大目玉「ジェットコースター」を彷彿させる迫力・スピード、まさに「空中」を駆け抜けるゴーカートです。
真ん中の赤いタワーの1階(地上)付近より、ゴーカートが、「くるくるハンドル」の力で水色のらせん状スロープをつたってタワーの最上階付近まで引き上げられたあげく、そこから一気に黄色のらせん状コースを見事に滑り降りて行きます(その繰り返し)。本当に実在したら、かなり怖い遊具でしょう。
当時普及していたカタログにも載っておらず、結構なレア商品と思われ、ヤフオクでもめったに出品されません。
当時価格不明(大きさからして、おそらく2,000円~2,500円ぐらいはしそう…。)
⑩おふね
昭和40年代にデビューしたてのフェリー船「さんふらわあ号」が大脚光を浴びていた時代。そのマークをあしらった太陽の絵が、屋根の上でコミカルにクルクルまわるのが微笑ましいです。
当玩具の動きは、ボート一台一台が
小刻みに震えて上下しながら回ります。
こちらも当時普及していたカタログに載っておらず、かなりのレア物と思われ、ヤフオクでもここ10年間で1回しか出品を見ておりません。
当時価格おそらく600円。(回転木馬等と同じでしょう。)
⑪ブランコ・ゆうどうえんぼく等
「くるくるハンドル」で動くものではありませんが、人形を載せてゆらゆら揺らして遊ぶことができます。
バックにある街灯、木、花壇や噴水池のイラストとともに、昭和の遊園地内の小物として、いい雰囲気を醸し出してくれます。
ブランコ・ゆうどうえんぼくは、セットで当時価格300円。
⑫売店・ベンチ等
遊園地のもう一つの楽しみ、やはり売店でホットドックやアイスクリームなどを買ってもらって、ベンチでじっくり味わうことですね。夢の国の中ですから、美味しさもひとしおですね。
やはり、これらも昭和の遊園地内のアクセントとして、いい雰囲気を演出してくれます。
これら売店やベンチといった設備のみのセットがあり、当時価格400円。
【3 製品ラインナップ(セット)】
【2 製品ラインナップ(単品)】で掲げた単品のセットも、3種類ありました。まずはこちらから皆さん買われていたようです。
・No.1 セット 当時価格2,400円
・No.2 セット 当時価格2,900円
・No.3 セット 当時価格3,600円
下の写真は、当時商品に同梱されていたカタログです。こちらにセットの内容が詳しく載っております。
【4 当博物館の所蔵品について】
以上、当博物館では、【2 製品ラインナップ(単品)】で掲げた単品の数々をほぼコンプリートに所蔵しております。
全部つなげると、下の写真のような全長120cmほどの「豪華な遊園地」が出来上がります。
昭和40年代後半の当時にこの写真のような「夢の遊園地」を実現しようと思うと、当時価格で約11,000円(一部推定)ぐらいは、かかっていたかと思われます。
物価が現在の1/3から1/2ぐらいの時代ですから、当時としては、なかなかの高級玩具であったかと思われます。
もちろん「MADE IN JAPAN」。約50年の時間を超えてもなお、色褪せも不具合も劣化もなく、繊細で美しいオルゴールの
音色とともに当時のままの動きを見せてくれ、当時の空気をそのままに物語ってくれます。
この年代の日本製玩具がいかに高品質であったかを感じずにはいられません。
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